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クロツバメの浮き雲ライフ

保護猫ちゃん中心の生活を送りながら、ハンドメイドやDIY、音楽に読書と関心事を綴ります。

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コトリンゴとの出会い

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 以前コトリンゴさんのフリーライブに行ったことがある。フリーライブといってもとあるフリマイベントにゲストアーティストとして参加してくれていたのだ。

 

 円形の巨大なキノコを思わせる建造物の中心(いわば軸の部分だ)に据えられたステージは200~300人程度がまわりを囲うといっぱいになってしまうほどのキャパシティだ。音響設備も必要最低限にとどめているためか質がいいとは言い難い。

 

 当時、映画「この世界の片隅に」の挿入歌を手がけて世間から(やや的外れな)注目を集めていた時期でもありフリーライブには人が大挙して押し寄せている。

 

 バックバンドやストリングスはなし。電子ピアノとその足下に足を使って叩く箱形のパーカッションのみ。ところどころSEは入るものの、基本的には路上の弾き語りのイメージに近い。

 

 

コトリンゴさんの来歴はこちらをどうぞ

コトリンゴ オフィシャルページ

 

 コトリンゴさんに関心はあったものの本格的に聴いたことがなかったのだけれど、僕もこのライブに度肝を抜かれてファンになってしまった多くの人間のなかの1人であることを小声で告白したい。

 

 こう言ってしまってはファンの方に申し訳ないとは思うけど、演目のほどんどは忘れてしまった(ごめんなさい)。確か最新アルバムの曲や(なかば義務的に)あの映画の曲を演奏したりしていた。とにかくそのピアノ演奏技術に裏打ちされた完璧な音楽表現に打ちのめされたことだけが自明の事実としてここにある。

 

 特に何がすごいと感じたかというと音楽センスと技術の高度な融合に尽きると思う。テクニックを追求することで譜面通りに味気ないピアノしか弾けなくなってしまった悲運のピアニストが世にどれほどいることだろうか。また類い希なる音楽センスを持ちながら表現する技術を持たずに短命に終わったアーティストがどれほどいることだろう。

 

 コトリンゴさんはそのいずれもが高いレベルにあることを冒頭のたった2~3小節の演奏でまざまざと見せてくれたではないか。演奏を始めるやいなや草原を吹き渡る風のただ中にいる錯覚を覚え、心臓は鼓動を早める。空高くに舞い上がったかと思えば、その刹那地上へ向けて急降下したりととにかく自由だ。感銘を受けてタイトルを頭に刻み込んだ『ツバメが飛ぶうた』(2013年発売のアルバム『ツバメ・ノヴェレッテ』収録)では、ツバメが自由に飛び回る疾走感と空から俯瞰して地上を見るかのようなヴィジョンをたった一瞬のうちに共有させてくれた。それもほぼ弾き語りのフリーライブでだ。

 

 とんでもなく実力のあるアーティストに気付かずにいたことを恥じながら、「日本のミュージックシーンもまだまだ捨てたものではないな」とある意味救いに近い感激を覚えたのだった。

 

 

 

※駄文に最後までおつきあいいただきありがとうございました。ガチ勢のファンの皆さま、にわかファンの僕を(または僕のつたなく陳腐な表現を)お許し下さい。