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クロツバメの浮き雲ライフ

はじめまして。クロツバメです。猫やDIY、音楽に読書と気になるものには手を出さずにいられない人のブログです。

今さら聞けない『さくら猫』という言葉の意味

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 ご家庭で猫とともに暮らしている方にとっては知っていて当然だよ、と言われてしまいそうな『さくら猫』という言葉ですが、広く一般にはまだまだ周知が行きわたっていないという印象を受けます。

 

 言葉の意味自体は知っていても、その起源や名付け親にまで及ぶと、意外と知られていないのではないかと思い、おさらいの意味も込めて『さくら猫』という言葉の意味を掘り下げてみようと記事にしてみました。

 

 猫を飼育していない方にとっても、お外で暮らす「地域猫」に接した際、ためになる部分もあると思いますのでご一読いただけると嬉しいです。また、このブログの趣旨でもある「考えるきっかけ」を読んでくれたどなたかに提供できたとしたら著者として励みになります。

 

もくじ

『さくら猫』という言葉の意味

 

 さくら猫とは特定の飼い主によって飼育されていない猫に対して施される「不妊・去勢手術」を受けているしるしとして、耳の先端部分がV字にカットされている猫の総称です。カットした耳の形がさくらの花びらに見えることからこう呼ばれ、耳単体では『さくら耳』といいます。

 

 

『さくら猫』の名付け親

 

 さくら猫の名付け親は兵庫県に本拠地を構え、全国で広く猫や犬の不妊・去勢手術を奨励したり、動物愛護の思想を普及する活動をおこなっている「どうぶつ基金」です。

 

www.doubutukikin.or.jp

 

 そのどうぶつ基金が2012年10月に沖縄県の石垣島において実施した、一斉大規模TNR(捕獲、施術、元の地域に開放するという意味)の際に「さくら猫」という呼称を発案、命名しました。

 

 桜前線のように石垣島で始まったさくら猫が日本全国に普及してくという願いが込められています。

 

『さくら猫』から分かること

 

 不妊・去勢手術を受けている猫の耳がカットされ「さくら猫」と呼ばれることは前述しましたが、ではいったい何故耳の先端をカットしてしるしを付ける必要があるのでしょうか。

 

捕獲のストレスや麻酔のリスクを回避するため

 これは実際に起こったことなのですが、どうぶつ基金による一斉不妊・去勢手術のため捕獲された猫たちのなかに、さくら耳による目印がないにもかかわらず施術をすでに受けている個体が複数発見されたのです。

 

 特定の飼い主を持たずに屋外で暮らしている猫には捕獲されることは恐怖以外のなにものでもなく、多大なストレスとなってしまいます。さくら耳は2度も捕獲されるリスクを回避することができる、必要なしるしなのです。

 

 施術に必要な全身麻酔をしたあとに、施術済みであることが判明したケースもあるようで、身体に負担の大きい麻酔のリスクを回避することにもつながります。

 

猫の性別がわかる

カットする耳は片方のみで、オス猫は右耳を、メス猫であれば左耳がカットされていることから性別を判別することができます。

 

ボランティアの存在がわかる

 屋外で暮らしている猫に不妊・去勢手術を実施できるのは認可を受けた動物愛護団体や保護団体だけということは決してなく、個人でも地方自治体のボランティア講習を受講するなどすればTNR活動に参加することができます。

 

 これにより、その地域に暮らす猫たちを見ればボランティアの影響が普及しているかどうかの判断をすることができると言えるでしょう。

 

さくら猫か否かで呼び名が変わる

 

「野良猫」→特定の飼い主をもたず、屋外(市部)で暮らしている猫

「地域猫」→ボランティアによって管理(不妊・去勢手術や餌やり、怪我の治療などを)され、屋外で暮らしている猫

 

 高い繁殖能力をもつ猫は放っておくと数が増えてしまうため、近隣住民への騒音や糞尿被害、衛生上の観点から「野良猫」であれば保健所による捕獲の対象となります。一方でボランティアにより管理され、不妊・去勢手術を施された「地域猫」は捕獲の対象にはならないのです。このように不妊・去勢手術を受けているかどうかは屋外で暮らす猫にとってはとても重要なことなのです。

 

 さくら猫はそのカットされた耳により「これ以上増えないので安心して下さい」と我々に教えてくれているのです。

 

野良猫と地域猫の言葉の違いはこちらの記事を参考にして下さい。

www.kurotsubame.com

 

おわりに

 

 時代の移り変わりとともに人間と猫との関係性も変わっていきます。産まれてしまった飼い猫の仔猫をその度にご近所さんに譲って何とか増えないようにしているという古き良き時代は残念ながらもう過去のことなのです。

 

 そればかりか動物をアクセサリーかなにかのように「所有」し、事情によってはいとも容易く遺棄してしまうような心ない人が少なからずいることもまた、目を背けてはいけない悲しい現実です。

 

 『さくら猫』というたったひとつの言葉の意味が教えてくれる願いと想いを、ひとりでも多くの方に知っていただきたくて、この記事を書かせていただきました。